2009年11月23日月曜日

おじさんち

中国人は、日本人に比べれば確実に、遠くからの旅人に親切だ。貿易を軸にして経済が発展したという背景もあるけれど、人との交流を確実に重んじる文化がある。別に日本人が旅人に不親切という訳では無いけれども、今回の旅では、飛行機の中で知り合ったおじさん(従業員60人程度の中小企業の社長)に随分お世話になった。

バスにも地下鉄にもずっと乗ったことが無くて、と言いながら全部運転手付きの自家用車で案内してくれた。日本では、最近高層ビルになった工科大学に留学後、十数年間日本で働いていたそうで、日本語も日本人と同じくらいに堪能で、全然不自由しないし、全て日本語で通じちゃうし、自宅の一角は畳だし(下は倉庫になっているそうだ)。全部連れて行ってもらったら中国語の勉強にならないから一人で旅します……とかオタッキーなことをつぶやいて翌日から完全単独行動に戻った私。798芸術区の警備員のお姉さんは、花儿乐队のMV撮影所を探して怪しげにうろついている私に「探査活動?」と言って笑っていたが、連れて行ってもらったのでは探査活動が出来ず。中国語を使いたくない&道に迷う暇が無い人にはガイドが必要だけれど、道に迷う&探す自由が無い不自由を考えるとガイドが邪魔なのである。危険と言えば確かに危険なのだけれど。行き先を告げたら反対方向へ案内されたり、意地悪も含めてスリリングな旅が楽しめた。

実は、飛行機の中で、土曜日の花儿乐队のコンサートが一番の目的なんだけど行かないかも、とか社長に言っていた関係で、社長が土曜と日曜を私の案内の為に空けてくれたらしく。おじさんはどうしても私をコンサートに行かせたくない様だったのだが。やっぱどうしてもコンサート行きたいから土曜は無理デス、とか言ってコンサートへ行ってしまい、翌朝「兆龍ユースホステル」まで迎えに来てもらった。江苏から来た花蜜さん等は「授業さぼって来たんだよ」なんて言うくらいで、翌日は798芸術区へ行った人が多かっただろうと思うけれど、私はそのままおじさんに北京観光ガイドをお願いすることにし。

日本人の私には中国語のニュアンスなんて分からんのだが、どうも、私の中国語名が小鳥をイメージさせる様で、社長がどうしても「鳥の巣」へ案内したい、と主張するので鳥の巣へ行くことになった。鳥の巣なんてどうでもええねん!!(マジギレ) 写真を見れば分かるけれども、半分怒ってんの。体育館の中に入るのに何で50元も掛かるんじゃ!激貧バックパッカーはユースホステル一泊料金をこんなところで捨てる訳には行かんのだよ。タバコが好きで、入り口でライター没収されるのが嫌だから入りたくない、と言う社長は「ライトアップにそのくらい必要なんだろうな」と、経営者らしく採算を合わせることに着目していたが。

社長に「おみやげ」まで買ってもらい、運転手の割り込み運転と「中国は広すぎて多様すぎてルールが無いから」と言う社長のアバウトさにもたじろぎながら、翌日からまた私の一人旅は続くのである。

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