2015年5月26日火曜日

遺影


今日インド大使館へ行って来た。カトマンズではインドビザが取り易い。
インド大使館のVisa Feesの取り決めが日本人びいきで嬉しい。日本人ならトランジットを除くどんなビザでも1600NPR(←今日払った金額)。かなり混むと言われているビザセンターが今日はがらがらで10:20に行ったら1人も待っていなかった。トークンナンバーなんか取らなくても良い程で。一週間掛かることになっているのだが、翌日にもビザ発給可能という対応だった。

VISA FEE (IN NEPALI RUPEES W.E.F. 26.08.2013)
Applicants are required to pay Service Fee NRs 250 and Telex Fee NRs 300, in addition to the visa fees mentioned below

特に明記の無い国の場合。
TRANSIT VISA (UPTO 15 DAYS) 2300
TOURIST VISA (UPTO 6 MONTHS) 4350
日本人の場合。
(TRV UPTO 15 DAYS) 350
ALL OTHER TYPE OF VISAS 1050
そして U K NATIONALS
TRANSIT VISA (UP TO 15 DAYS) 9350
TOURIST VISA ( UP TO 6 MONTHS) 13600

イギリス人がはっきり差別を受けている気がするんですが。侵略国は差別されて当たり前、の概念がありますね。実際に日本人への差別も凄いんですけどね、侵略国だからという理由で。お前らの存在が許せない、ってな感じがカトマンズでもポカラでも。


地震から二週間で全部元通りだから今すぐ来て頂戴!という元気なホテルスタッフの声を電話で聞き、早く行って見なくてはと思った。ポカラOldBusParkからカトマンズNewBusParkまでひたすら切り立った山と言うか崖っぷちを走るバスで410NPR、左側通行で左側の窓際だったので怖い風景ばかりが見られた。ポカラのバスチケット売り場でカトマンズへ行きたいと言ったら販売員が一瞬泣きそうな顔をする。本当に皆が深刻だと思わされた。カトマンズでは些細なことで泣き出しそうな人が多く、値切る習慣が邪魔をしていて、こういう時に値切って泣かせたらいけないと思わされる。観光客が1/5以下に減っている印象を受ける。店は半分以上が閉まっている。沢山の人で賑わわせられたらと思わされる。Reechoが見慣れている街並みに壊れた家屋は殆ど存在せず、見慣れた牛乳売りが全壊しているのを見た時には、え?何でここだけこうならなきゃいけないの?と目の前の事実が理解出来ずに困惑した。何だか全てがウソの様に思われ、時間が止まってしまった様にずっと遠い目をしている人もいる。

崩れた家の写真を撮っていたら「あんたが代わりに下敷きになれば?」という視線を感じる。悲しみを見世物にされることに怒りを覚える人も多い様で、カメラ自身がもう撮りたくないと思ったか起動しても画面が真っ白で撮れなくなってしまった。日本人大嫌い、とそれまで全身全霊で攻撃していた地元の人々が伏せ目がちに日本人に対しても思いやりを見せる。どうして優しさがこんなに悲しいのか、戦争ってウソですよね、と何か取り違えた様に日本人に対して優しい南京人を思い出した。人をイジメるなんてそんな悲しいこと私には出来ません、と言いそうな人々を見て更に悲しくなってしまった。カトマンズはもうダメだおしまいだと飲んだくれているオジサンに癒される。悲し過ぎて何も出来ない人々に囲まれて自分の悲しみを漸く肯定出来る自分がいる。周りが元気な人ばかりだと自分が悲しんでいることが間違いの様に思えてしまうけれども、ここでは悲しみを素直に肯定出来る自分がいる。いつ死んでも構わない、どうして自分が代わりに死ななかったのか、そんな思いが街を歩いていると感じられて、死を自然に受け入れられるまでこのままここで過ごせたら、と思ってしまう。確かに、地震災害よりも今あんたがここにいることの方が問題だから、と追い払うことに熱心な人はいるけれど。

3日前にインドビザOnline申請の為に近くの写真屋で撮ってもらった写真。死んだらこれを遺影にしてくださいませませ。m(_ _)m

2015年5月1日金曜日

日本寺




2013年12月8日の写真。印度山日本寺には成道会の前1週間しか宿泊出来ないらしい。曹洞宗主催の座禅会で歌のお稽古と食事の作法、座禅の仕方を教わる。部屋の窓には鍵が掛からず、部屋を空けた僅かの間に財布から数千円分が抜き取られていた。財布を置き去りにする自分が悪いのだが、インド人スタッフを疑ってしまった。仏様に寄進した、誰かの幸せに貢献したと思って喜ばねばならない。
マハボディテンプルの写真持ち込み料金所では釣り銭が返って来なかった。高額紙幣を出す際には釣り銭が揃えられるのか、きちんと確認してからしまわせる。しまわれたら無かった事になるのでその前にきちんと確認。中国では野菜売りに一度やられただけだけれども、インドでは技術も頻度も迫力も違う。Reechoはバイクでカバンをひったくられない様にいつも荷物の上からマントと言うかストールと言うかショールと言うかを掛けて歩いている。図々しく話しかけられたらカメラを向ける。嫌がって逃げてくれたら有り難い。
ブッダガヤの物乞いは暴力的で凄い。子供ばかりでまだ貴重品を狙われた事は無いが食物は根こそぎ奪って行く。怖くて引き篭もること1ヶ月、保存食として生米を水に漬けて食べる様になった。こまめに水を換えて1時間、人間ヨーグルトメーカーとして方龍宝と一緒に食べれば下痢しない。その他ピーナッツ等の豆類で餓えを凌ぐ。

それで怖い恐いと言いながらインドから出るとどういう訳でか誰も自分に物をねだらないのが寂しく感じられてしまう。物乞いの必死度も違うのだが他の国では自分が全く求められていない気がしてつまらない。インドの乞食に襲われに行きたいとか変な気がするけれども、また肝試しで沢山の怖い人々に会いに行く予定。


2015年3月29日サールナートの日本寺法輪寺にて。このお寺を建立した長谷川和尚の娘さんがいらっしゃった。在家だったお父様がお告げを受けて土地を買い、62年前に建てられたそうだ。当時の建物は現在宿坊として使用されていて、宿泊も食事も寄付(金額を問わず)と1日2回のお勤め参加で何日でもOKだそうだ。世界中の人々の健康を祈って南無妙法蓮華経。