2010年6月24日木曜日

中國統一聯盟

大学生の頃、2005年1月15日(土)10:00~18:00の日中国際シンポジウムを見に行った。学生がいくつかの部屋に分かれて好きなテーマを自由に見学出来るようなところで、参加費用を千円くらい取られた様な記憶もある。reechoの知り合い(所属するゼミから参加の人々)は殆どスーツ姿で参加していて、研究会と言いシンポジウムと言い、いつも普段着が当たり前だと思っていたreechoは、入り口でずらっと並んでいるスーツ姿を見て驚愕した。駐日中国大使館の王毅さんが来ると言うので警備も厳重で、それまでに見たことが無い研究会の有様だった。案内には* 諸般の事情により、参加者は中央大学関係者に限らせていただくことになりました。ご了承ください。と書かれているけれど、特に拓殖大学から沢山(100人以上)参加していたらしかった。
今考えると、中央大学って実に左寄りの大学で、reechoは極め付きに中国を愛している先生方にお世話になっていた。~協調的な日中関係の構築をめざして~なんてことを今見せられると、どうしてそんなことが出来るのかと反射的に仰天してしまうけれど、大学時代は中国を美化してすっかり中国贔屓になっていた気がする。
そのシンポジウムの閉会式の席で、駐日大使の王毅さんが挨拶(あんなに短くても講演ね!)しているのを、数メートル程の至近距離で見ることが出来た。穏やかで誠実な感じの人だと思ったけどやっぱり日本に反省を求める姿勢は強固で、何かじっとreechoを見つめていると言うか、睨んでいる気がしてしょうがなかった。どこを見ていても誰もが自分が睨まれていると感じるくらいに隅々まで気配りする人と言うか。ま、感じ方は人それぞれだろうけどreechoの顔って凝視したくなる程奇怪なのかと思った。ってば自意識過剰?

で、その王毅さん、Wikipediaによれば
「2008年6月3日中国共産党中央台湾工作弁公室と国務院台湾事務弁公室主任に任命された。同ポストは台湾を国内とみなすため地方トップが就任するのが慣例で、今回も盧展工福建省党委書記の起用が考えられていた。外交官出身の王毅が選ばれた背景には、台湾との対話が停滞する状態を好転させたいという見方がある一方、知日派の李登輝が総統就任した以降急接近した日台関係を牽制するのが目的という見方もある。」
のだそうで、外交官を配置ってば、台湾を外国と看做したんじゃないのかとすら思うのだけれど。外国との関係を改善させるくらいに台湾の中国離れを深刻に考えていると言うことか。あんなに日本語が流暢な人に台湾を担当させれば、確かに親日的な台湾に対する圧力と言うか、強力なライバルと言うか、目の上のたんこぶに成り得るとは思う。

去年の10月にちょっと書いた、大阪の高層ビル内にある(あった)中国政府機関出張所の責任者(自称女性)は、名前がそのまま国境を守る兵士の種類を意味した。日本の経済的侵略から中国を守れと言われて派遣されて来ている印象を受けたのだけれど。慶応義塾大学で日本の経営者を集めた会費3万円の講演会で講演したことがあるとか、元科学技術庁長官と通訳を通して挨拶して、彼の名詞を辞書の間に挟んであるとか、色々華やかに活動しているらしい人だった。その人の部屋に2週間ほど居候していたところ、色々貴重な話も耳にした。日本共産党以外認めないと言いながら、ゲイだからという理由だけで三島由起夫と三輪明宏を敬愛していたり。よくそんなことまで知ってるな~と言うくらいに日本のゲイに精通していて、ゲイは思想も立場も国境も完全に超越するのだと思った。台湾へ行けば中國統一聯盟のトップと仲が良くて、熱烈に歓迎してくれるのだとか。大陸から常に熱い視線と愛情を台湾へ注いでいる様で、何が愛情かって金なのだけれど、離れられなくさせる熱い握手を交わしながら、自分の物であり続けさせる為にありとあらゆる手を打っていると思った。放って置くと何をするか分からないから、濃厚な関係の確認の為に頻繁に連絡を取り、台湾人の懐柔と中国共産党の資金源(何割かは軍事費)として、麻薬・覚せい剤の販売にも力を注いでいる雰囲気も感じられた。

今中国が台湾に対して柔和なのは、馬英久さんが中国共産党と仲良しだからに他ならず、「仲良くしないならいじめちゃうよ」と言う我侭なガキ大将なのは今も昔も変わらない。あんな頑固で分からず屋なガキ大将でも仲良くすると楽だし、恩恵も大きいからしょうがないなと思う。台湾はあまりにも小さくて、大陸に飲み込まれるのが容易に見えてしまうのが悲しい。どこまで踏ん張っても台湾は中国の一部、と思う人がいかに多いか考えると、もうちょっと台湾に頑張って欲しいと思ったりする。民進党が次の選挙で勝てば、また少し独立とか自主自立路線を進めるかも知れないね。

2010年6月19日土曜日

言い分

八田與一を美しく祀れば水利会も美しく見えると言うもので。美しいものを美しいと讃える気持ちが美しいと思わせながら、皆の八田與一への思いを自分たちの私利私欲の為に利用しようとしているのが嘆かわしい。どんなに醜い政治組織も美しく見えるようにさせられてしまうのはどうしたものか。八田與一の政策が共産主義だった為に、中国の共産主義支配を正当化&強化する道具にしようとすれば出来ないことも無いわけで、八田與一を偲ぶことが中国との統一を目指す国民党内部の意向と矛盾しないのがそもそもの問題だと思う。八田與一の政策は立派だった素晴らしかったと讃えながら、台湾人を中国共産党の支配に共鳴させて行きはしないだろうか。八田與一を尊ぶ台湾人の中に果たして統一を喜ぶ人がいないと言い切れるのかどうか。国民党が牛耳る水利会と一緒になって日本人が八田與一を拝んで満足して良いのか、水利会の主催する墓前祭に参加して、水利会の傘下で八田與一を偲ぶことが長い目(long term)で見て日本の為になるのかどうか、日本の防衛(安全保障)上の問題で台湾の立場をきちんと考えている日本人がいるのかどうか。日本を危険にさらす政策を助長している認識があるのかどうか。台湾が中国共産党に乗っ取られて万歳出来る人間以外、国民党が牛耳る墓前祭に参加して国民党の幹部と一緒に八田與一の共産主義政策に感銘を覚えてはいけないんじゃないかと思う。

何でも帝国主義に見える台湾人からのe-mailによれば。楊明風さんが自己紹介の後で話していることを要約すれば "楊明風先生想要發揚農業水利的競爭力・貫徹馬英九的政策・發展佃農工業政策" だそうで、話していることを一言一句反訳するのが面倒でこんなに短い要約になったらしいけれど、楊明風さんについて国民党のHPを見れば、既に国民党の中央委員(120番目)として国民党幹部の仲間入りを果たしている。

美しく語られる八田與一の物語とは全く別に、現在の台湾の政治がどの様に動かされているのか知らないと、国民党及び中国共産党にうまく利用され、敵方が八田與一の骨の髄まで徹底的にしゃぶるのを喜んで眺めることになるんじゃなかろうか。

そして。その美しい烏山頭ダム。


ダムの入り口では一般の中学生以上65歳未満は200元を徴収される。昔はダムの給水にいたずらされては困るから、関係者以外立ち入り禁止だったとか。200元はレート換算すると日本円で600円程度だけれど、一般の台湾人の感覚から見ると日本人の考える1500円くらいの入場料。ゲートの内側にはプールやホテル,バーベキューの施設等があり、西拉雅渡假飯店の宿泊客はここのゲートでの入場料が免除される。ただし、団体で宿泊を申し込んでホテル宿泊客名簿に具体的な名前の記載が無く、料金所からホテルに電話しても予約済みの客としてホテルで名前が確認されなかった場合は、入場料金を取られる。あいにくreechoはホテル宿泊者として名前が登録されておらず、駅前の商店街からreechoを乗せて運転してくれた気前の良いおばさん共々きちんと200元ずつの入場料&50元の駐車料金も取られ。おばさんが全部払ってくれて、reechoからお金を受け取らなくて困ったんだけど。翌日の墓前祭当日には全ての車両及び参拝客が無料でゲートを通過出来たと聞いた時には驚いた。今年の墓前祭は警備が厳しく無く、本当に全ての車両がゲートを通過出来たそうで。今度来る時は隆田駅近くの安いホテルで一泊してダムへ移動しようかと考えた。駅前の隆田旅社(1泊700元程度)は、規模は小さくて柄は良くないけれど、日本に住んでいたことがあると言う日本語が堪能なおばさんが案内してくれ。西拉雅渡假飯店はそこそこ大きなホテルでもreechoが到着した時は日本語が堪能な職員がいなくて大変だった。どうでも良いけれど、大陸に比べて台湾は、外観が良くても中が汚いというか、手入れの行き届いていない不潔な感じのする宿舎及びホテルが多い気がする。自分の趣味をそのまま旅行客に強制するとか、そもそも台湾の宿舎は個人の趣味が反映され過ぎていて馴染めないと言うか。ラブホまがいの宿舎と言うのも問題だけれど、台湾の場合、客と言うより家族として迎える雰囲気があって、大陸よりラフなのかも知れず。交易を軸に経済が発展した長い歴史も無いから、大陸ほどに旅行客を大切にする文化やホスピタリティーを期待してはいけない。今までよそ者に強制され過ぎて来て、よそ者を見たら反抗することしか頭に無い台湾人もいる様で、日本の差別的支配に対する復讐も視野に入れながら、「すみません何の利益ももたらさないよそ者です」くらいの気持ちで宿泊&旅行すれば良いのだと思うたぶん……。

ホテル正面玄関と、墓前祭会場入り口付近から見る珊瑚潭を臨むホテル客室
↓右の写真とほぼ同じ場所から撮影。
 


2010年6月7日月曜日

大使館突入事件

reechoの防備録として。~吾爾開希~Wikipedia
~ウルケシ(ウーアルカイシ)氏とお会いしました~日本ウイグル協会 

何でわざわざ日本に来るんだと思ったんだけど。考えてみれば台湾に中国の大使館は無かったのだった。中国駐外機構(青色に塗られた国に大使館あり)。ついでに台湾駐外機構列表~台湾の大使館がある国も多いんだ感心~。

「偏向マスコミ報道から日本を守ろう!ネットワーク」の情報によると。大紀元では「同日朝、中国大使館の敷地内に突入する前に、同氏は柵の前で取材に応じた。」のだそうで、6月4日の2時半に突如中国大使館への強行突入に及んだのでは無く、計画的に何時間も前から報道関係者を呼んで、話題にする為だけにわざわざ柵を乗り越えるパフォーマンスをしたらしい。

「逮捕されても監禁されても構わない。」と言っているけれど、殺される可能性があったりしたらとても出来ないんじゃないかと思われ。自分の身の安全は必ず保たれることを百も承知の上でやっているのが非常に賢いと言うかずるいと言うか。

同じく天安門事件の指導者だった柴玲はCIAの手引きで亡命したとかで、何か裏で仕組まれている感じがある。今度の大使館突入も何らかの手引きがあってやっているんじゃないか、とか。前年度のマカオ行きもちょうど六四天安門事件から20年目だったそうで、どうやら6月4日を選んで話題作りに励んでいるらしい。

reechoの母いわく、6月4日なんて1年に1度しか無いんだから毎月4日にやってくれたら良いのにね、だそうな。そんなに祖国に帰りたければ毎月事件を起こしたって良いんでないの?と。毎月やったら意味が薄れるし視聴者も見飽きるだろうけれど、こんな事件なら毎月見せられても良いね。別に人を楽しませる為にやってる訳じゃないだろうし、毎月やったら変人扱いされるだけだと思うんだけど、reechoは単純に視聴者を楽しませる人を応援してしまう。例え大張偉であろうとも!!


しかしながら必ず記憶しておきたい天安門事件。
 
              勿 忘 六 四

2010年6月4日金曜日

農田水利會


2009嘉南農田水利會 八田與一緬懷德澤



墓前祭に行くと言ったら、利権争いの渦中に行くんだと思わなければいけないということが分かって来た。台湾を思い出しただけで熱中症で倒れそうな気分になるんだけど。烏山頭ダムの職員の冷たさとか、地元の人々の反応に「なんだかな~、」と思っていたけれど。台湾の人たちから言わせると、曽祖父が昔烏山頭ダムの所長、と言うと、あの腐敗したお偉いさん等の元祖?オエエっ、としか思われないと言う問題が見えて突然不愉快になって来た。ついでに、陳水扁さんがダムに近寄らなかった理由も分かった。
中國國民黨青年團UploadのYouTubeによると、中國國民黨18全黨代表選舉に台南縣28號で楊明風さんが出馬。全然聞き取れないので、聴力が無いから言っていることを書き出して欲しい、と台湾人に頼んでもなかなか書いてくれない。単に面倒なだけかも知れないけれど。台湾国内の政治の話題は極力避けたいと思っているのは充分承知の上で。元烏山頭區管理處主任の自己紹介等を書き出したがらないのは、台湾の政治的コネクションについて知らせるのを非常に不愉快に思っているからではないかと。

農田水利會は政治的に重要な組織らしく(政治組織そのものの様でもあり)。前出の、何でも帝国主義に見える彼の話では、政治家と言ったら経歴よりカネだそうで、どこでも金で人が動いていて利権争いにおいて綺麗な場所なんて無いんだな、と思わされ。お金で票を集めるのは当然のことと言われてびっくりしたけれど。台湾の人たちから「賄賂で汚れた烏山頭ダム」とか思われているのは正直ショック。


農田水利會通則 防暴力賄選


この法律出来たの遅すぎないかと思う。ダムの職員が、何かギラギラと利欲を求めている感じが嫌だったのだけれど。やっぱ賄賂禁止の法律を作っても賄賂で勝つ人は日本と同様に水面下で続くのかなと思った。ヤクザが買い取る投票権なんて誰も話題にしたくないだろうし。おぞましくて一般人が近付きたい場所じゃないことは了解。
5/15水利會改選-國民黨拿控水利會--民進黨主席主席蔡英文"我們要打破水利會"
⇒結果(聯合News)會長當選名單 2010.6.1から楊明風さんが嘉南水利會會長に。農田水利會聯合會組織図によれば全聯合会の副会長でもあるらしい。

外省人の方が金持ちだから政治も執りやすかったとか。国民党の独裁政治に反対したくても言論統制で無理とか。言いたくても言えない不満も強いだろうなと思う。なんと言うか、国民党の餌食になる為に墓前祭に参加している様で。脱水症で倒れたいんだが。

一番上の動画で献花しているのは台湾の学生ではなく石川県の花園小学校の生徒さんたちだそうな。招待されている筈なのに、ただ一人たりとも宿泊費or交通費について主催者側で負担してもらっている人はいないという話。招待されている訳じゃなく、自己満足の為に日本から勝手に来ているんでしょ、と台湾人から冷ややかに見られているのが分かると苦しい。どれだけ台湾が汚なくて冷たいかなんてそう簡単には分からないのも結構問題。