2010年6月19日土曜日

言い分

八田與一を美しく祀れば水利会も美しく見えると言うもので。美しいものを美しいと讃える気持ちが美しいと思わせながら、皆の八田與一への思いを自分たちの私利私欲の為に利用しようとしているのが嘆かわしい。どんなに醜い政治組織も美しく見えるようにさせられてしまうのはどうしたものか。八田與一の政策が共産主義だった為に、中国の共産主義支配を正当化&強化する道具にしようとすれば出来ないことも無いわけで、八田與一を偲ぶことが中国との統一を目指す国民党内部の意向と矛盾しないのがそもそもの問題だと思う。八田與一の政策は立派だった素晴らしかったと讃えながら、台湾人を中国共産党の支配に共鳴させて行きはしないだろうか。八田與一を尊ぶ台湾人の中に果たして統一を喜ぶ人がいないと言い切れるのかどうか。国民党が牛耳る水利会と一緒になって日本人が八田與一を拝んで満足して良いのか、水利会の主催する墓前祭に参加して、水利会の傘下で八田與一を偲ぶことが長い目(long term)で見て日本の為になるのかどうか、日本の防衛(安全保障)上の問題で台湾の立場をきちんと考えている日本人がいるのかどうか。日本を危険にさらす政策を助長している認識があるのかどうか。台湾が中国共産党に乗っ取られて万歳出来る人間以外、国民党が牛耳る墓前祭に参加して国民党の幹部と一緒に八田與一の共産主義政策に感銘を覚えてはいけないんじゃないかと思う。

何でも帝国主義に見える台湾人からのe-mailによれば。楊明風さんが自己紹介の後で話していることを要約すれば "楊明風先生想要發揚農業水利的競爭力・貫徹馬英九的政策・發展佃農工業政策" だそうで、話していることを一言一句反訳するのが面倒でこんなに短い要約になったらしいけれど、楊明風さんについて国民党のHPを見れば、既に国民党の中央委員(120番目)として国民党幹部の仲間入りを果たしている。

美しく語られる八田與一の物語とは全く別に、現在の台湾の政治がどの様に動かされているのか知らないと、国民党及び中国共産党にうまく利用され、敵方が八田與一の骨の髄まで徹底的にしゃぶるのを喜んで眺めることになるんじゃなかろうか。

そして。その美しい烏山頭ダム。


ダムの入り口では一般の中学生以上65歳未満は200元を徴収される。昔はダムの給水にいたずらされては困るから、関係者以外立ち入り禁止だったとか。200元はレート換算すると日本円で600円程度だけれど、一般の台湾人の感覚から見ると日本人の考える1500円くらいの入場料。ゲートの内側にはプールやホテル,バーベキューの施設等があり、西拉雅渡假飯店の宿泊客はここのゲートでの入場料が免除される。ただし、団体で宿泊を申し込んでホテル宿泊客名簿に具体的な名前の記載が無く、料金所からホテルに電話しても予約済みの客としてホテルで名前が確認されなかった場合は、入場料金を取られる。あいにくreechoはホテル宿泊者として名前が登録されておらず、駅前の商店街からreechoを乗せて運転してくれた気前の良いおばさん共々きちんと200元ずつの入場料&50元の駐車料金も取られ。おばさんが全部払ってくれて、reechoからお金を受け取らなくて困ったんだけど。翌日の墓前祭当日には全ての車両及び参拝客が無料でゲートを通過出来たと聞いた時には驚いた。今年の墓前祭は警備が厳しく無く、本当に全ての車両がゲートを通過出来たそうで。今度来る時は隆田駅近くの安いホテルで一泊してダムへ移動しようかと考えた。駅前の隆田旅社(1泊700元程度)は、規模は小さくて柄は良くないけれど、日本に住んでいたことがあると言う日本語が堪能なおばさんが案内してくれ。西拉雅渡假飯店はそこそこ大きなホテルでもreechoが到着した時は日本語が堪能な職員がいなくて大変だった。どうでも良いけれど、大陸に比べて台湾は、外観が良くても中が汚いというか、手入れの行き届いていない不潔な感じのする宿舎及びホテルが多い気がする。自分の趣味をそのまま旅行客に強制するとか、そもそも台湾の宿舎は個人の趣味が反映され過ぎていて馴染めないと言うか。ラブホまがいの宿舎と言うのも問題だけれど、台湾の場合、客と言うより家族として迎える雰囲気があって、大陸よりラフなのかも知れず。交易を軸に経済が発展した長い歴史も無いから、大陸ほどに旅行客を大切にする文化やホスピタリティーを期待してはいけない。今までよそ者に強制され過ぎて来て、よそ者を見たら反抗することしか頭に無い台湾人もいる様で、日本の差別的支配に対する復讐も視野に入れながら、「すみません何の利益ももたらさないよそ者です」くらいの気持ちで宿泊&旅行すれば良いのだと思うたぶん……。

ホテル正面玄関と、墓前祭会場入り口付近から見る珊瑚潭を臨むホテル客室
↓右の写真とほぼ同じ場所から撮影。
 


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