2009年12月18日金曜日

北京の迷路

北京到着の日。私は飛行場から地下鉄で乗り換え無しの东直门駅付近にある北京京丽水旅馆に泊まろうと思っていた。首都国際空港に到着して地下鉄に乗ったのが22時過ぎ。十時半過ぎから真っ暗闇の東直門で旅館を探して歩いた。直ぐに見つかると思っていたら近くまで行くのに小一時間掛かり、その付近にいた人に尋ねてようやくアパートが立ち並ぶ塀の中に入り込み、ボロアパートの地下室みたいな北京京丽水旅馆にたどり着いたところ。なんとそれは外国人お断りの宿舎であった。そんなアホな。だって先日の電話では外国人泊まれるって言ってたじゃない。日本人でもOKと言っておいて宿泊当日の夜中にそれは無いっしょ。
どうにも最近ではオンラインで旅客が管理され、身分証明書との照合が無ければ宿泊が許可されないらしい。パソコンで受付しない旅館があればまだ外国人もナイショで宿泊させてくれるかも知れないけれど。その宿舎の場合には必ず中国の住民登録番号が必要で、パスポートによる承認では宿泊不可能。カウンターのおにいちゃんいわく、「うちの宿舎はぼろくて汚いから外国人は泊められない」のだそうだ。今更そんなこと言われても困るんですよ、と頼み込んでもやっぱり駄目なものは駄目らしく。1泊40元以下の宿舎は「外国人お断り」の可能性を疑った方が良いと思った。で、だだをこねる私を尻目に、宿舎まで案内してくれた人がご丁寧に警察を呼んでくれて、警察から取調べを受けることになった私。真夜中に外国人女性が宿も無くうろつくのは危険に見えたのか、警察から「パトカーで日本大使館まで連れて行ってあげるよ」なんて言われたが。とりあえず日本人オーナーの宿舎の電話番号を教えたら携帯電話で問い合わせてくれて「泊まれるらしいからタクシー呼ぶ。」で本当にタクシーが呼ばれてるし。タクシーの運転手はまた携帯電話でユースホステルに場所を問い合わせてくれて、私はそのまま有家国際青年旅舎へタクシーで搬送された。東直門から30元くらい掛かったかな。みんな気軽に携帯電話を使うのでちょっとびっくりしたのだけれど、どうやら携帯電話で掛けても固定電話から掛けるのと全く同じ1分間3角らしい。路上にある黄色いIC用公衆電話も1分間3角だったのだけれど。携帯の電話料金がそんなに安いってどういうことなのだろう。最近まで電話を受ける人にも電話料金が掛かったけれど、去年から完全に無料になったとか。

「言ってくれれば宿舎まで送ってあげたのに、」と社長が後から心配してくれたけれど。やっぱ一人で彷徨うのも根性と言うか意地だった。「32才にもなって頑固な女の子ですね」とかメールに書かれて、それもまたしようも無く笑ってしまった。冷たくされるのに慣れていると、意表を突いて優しくされるのは調子が狂って困るのである。


レンタカーのPRIUSにて、仕事で豊川に来た社長が昨日、二人の社員を連れて我が家へ遊びに来た。
白いジャケットを着ているのが甥子さんで次期社長を予定しているのだそうな。運転席の社長に「これ一日いくら?」と聞いたら「一万七千円」と言っていたけれど。調べてみると半日八千円弱だった。見栄っ張りと言うか、いい加減と言うか。見栄を張って嘘を言われると困るんですよ本当に……。社員に綺麗な風景を見せたいとかで、そのままレンタカーで富士山を見て熱海から伊豆半島をドライブして、妻子が待つ東京の自宅へ帰るそうだ。
「雇って下さるんでしたら是非!」とか調子に乗って頼んで見たけれど、中国だと給料は大卒で1ヶ月千元代が普通だし、私の場合「家族と一緒でなければ移り住めそうも無い」ということもあって実際には難しく。85才を超えるおばあちゃん連れて中国に移り住むって大変よ。カルチャーショックで即死してしまいそうだし。

前日は不味い餃子を作ってせっせと冷凍し、当日の朝はラーメン作りにてんてこ舞いし。小麦粉で汚れた服に何だか千葉すず流の笑いを浮かべる勝気な私……。

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