2010年5月20日木曜日

台湾の独立

台湾人と話をすると時折、卑劣な(日本と)大陸を踏みにじって何としてでも独立を果たすのだという意向が垣間見られる。独立を果たす為なら何でもやります!などぎつい台湾人も多い。

reechoが大学時代に教わった中国語の教員に、台湾独立運動で投獄され、刑務所内で自殺未遂し病院へ運ばれた際に死ぬ気で脱獄し、日本へ亡命を果たした林惠玉女士がいる。日本人と結婚して日本人になっているけれど、自ら「陳水扁総統のお友達」と言う先生に教わると少しは台湾の見方が変わる。傍観するのも何か失礼な気もするけれど、したたかに何でもやらなければ殺される世の中で生きると人間嫌でも逞しくなるんだなぁ~とか。過激な中国人の弾圧に耐え忍ぶ精神力もさることながら、身を守る為なら何でもやってやると言う肝の据わり方が怖い。ヤクザな政府と闘う為に、どんなに温厚な国民でもやくざ化してしまったと見ることも出来るくらい、台湾人は悲惨な運命を辿って来ている。

「中国共産党が台湾の政権を執ったら日本へ亡命させてくれませんか」とか言われて初めて台湾人の独立に対する切実な思いを感じるのも鈍感と言うか。自分の政治的立場をはっきり表明することが憚られるからか、人がいる場所でそんな話をする機会は無いのだけれど。外観では「大陸は勿論嫌いだけれど、日本も嫌い」とはっきり言う台湾人が多くて、どこまで日本人として厚かましく近付いて良いのか分からないところへいきなり日本は嫌いなんだけど!大陸から離れる為なら日本に行きます、とか言われると困ってしまう。「最善独立、最悪日本逃げ」と言うか。飽くまでも日本は大陸から逃げる為の手段でしか無いことを考えると日本人として結構傷付く。

母の話によると、日本人技師の家が再建されるのは、烏山頭ダムを世界文化遺産に登録する為に必要な道具だからなのだそうな。再建が目的では無く、歴史を示す手段に過ぎないのである。赤字覚悟と言っても、世界遺産にする為に必要ならしょうがないよね、ということである。作り損にならないように世界遺産登録に力を入れるつもりなのか、馬英九さんに直接聞いて見たいけどやっぱ計算高いと思わされる物はある。誰も利益を見込まずに無駄遣いしないのだと思いたい。

TaiwanMexで貸し出していた日本語版2010年度「地球の歩き方」に「台湾人はお金でお礼されると怒る」とかいう内容が書いてあったので、たまたま帰りの飛行機で隣に座った台湾人のお姉さんに聞いて見た。日本に語学留学したことがあると言うお姉さん曰く、怒らないけど「なんで?」って訝しく思うのだそうな。まるで手切れ金を貰った気分になると言うので、どうして手切れ金を貰った気分になるのか聞いたら、何か「これで貴方の親切を帳消しにして欲しい」と頼まれているような気がするのだと言う。自分は仕事でやったんじゃないのにビジネスにさせられた気分になるし、純粋にその人に喜んでもらいたくて、親しくなりたくて親切にしたのに、お金でお礼をされると突然他人行儀になって親しみが消えるのだと言う。日本人、義理と礼節を重んじて、きちんとお礼をしなければ礼儀を欠くと思って懸命に「きっちり」恩を返そうと頑張るのだけれど、それをやったら他人になると言われてreechoは困った。お礼が無ければ裏切られた気になるし、お金でお礼されれば喜んで親しくなるのが日本人なのに、台湾人はお金でお返しされたら縁が切れるのだと言う。文化って分からないと思った。どんな高額なお金を親切で出されてもお礼はお金でやらないのかと聞いたら、まあケースbyケースだと言うけれど。気前良く高額なお金を親切で出すのも台湾人の特徴らしく、何の躊躇も無くお金を出してくれる台湾人のお陰で、reechoも全ての交通費&宿泊費&食費を無料で済ませてしまうところだった。お礼にいくら掛かるか考えたら怖くてそんなこと出来ず断って逃げたけれど。台湾人と親しくするのは度胸が必要である。親切にされっ放しなんて無理な日本人は、親切にするのもされるのも遠慮して遠ざかってしまうもので。

それにしても墓前祭は緊張した。気を遣われたことが無い人間が突然気を遣われると死ぬほど疲れる。綾子さんは「墓前祭で倒れないように」と言ってチェックアウト時刻までホテルの部屋で寝ていたそうだけれど、暑いところへ突然行くのも体には堪える。reechoは墓前祭で既に脱水症状を起こし、後日たまたま台北の某ゲストハウスで鉢合わせした個人旅行のお姉さんから「隣に座ってたおっちゃんと、あの子大丈夫かな~って心配しとってんで」と言われる程、外見からはフラフラしていたらしい。けれど烏山頭ダム管理事務所に勤めている職員は当たり前の様に全員立ちっ放し。烏山頭ダム管理事務所の所長さんも立ちっ放し。誰一人として椅子に座らずずっと来客に気を配っていて見るからに大変そうだった。噂によると数年前までは椅子やテントなんて存在せず参拝者全員が炎天下の下で立ちっ放しだったとか。英九さんが来るようになって突然テントや椅子が登場したらしく。いくら勧めても椅子に座ろうとしない職員を見て、テントと椅子に対する抵抗かとすら思ってしまったんだけれど(笑)。前出のお姉さんの情報によると、今年は日本からの団体客として「李登輝学校」の学生が数十名来ていたそうで、墓前祭で「李登輝」という名前を出すのが政治的に問題だとかで、「李登輝」の名前を抜いて「日本友の会」とか言う名称で紹介されていたとか。なぜ馬英九が良くて李登輝がNGなのか、日本人のreechoには不可解なことが台湾には多い。

李登輝学校では毎年日本からの研修団が台湾へ学習に行き、全員李登輝先生から修了証書を貰って李登輝先生と記念撮影するらしい。趣味で毎回参加している定年退職後っぽいおじさんも何人かいるのだとか。若手の育成と銘打ちながら「おっちゃんばっかり」とは関西弁のお姉さんの話。李登輝先生にお会いしたい方はどなたでも「李登輝学校研修団」に参加して下さい。台湾は、「独立」を口にするにも日本と親しくするにも政治的に危険な場所なのだということを肝に銘じつつ。

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