2010年7月2日金曜日

復讐の文化

パク・ヨンハはなぜ自殺したのか

パク・ヨンハを知ったのはかの有名な「冬のソナタ」である。私はあのドラマのベ・ヨンジュンが嫌いで、韓国人に同意を求めたら、やっぱり「あの」冷たいベ・ヨンジュンは嫌いだということで意見が一致した。なぜ「あの」が付くかと言うと、他の場では偽者が多いからである。パク・ヨンハは偽者がいなくて、一人に掛かる負担が大きかったのかも知れない。偽者がいればイジメも回避出来ただろうし、もっと気楽に自分の人生を楽しめたかも知れない。冬ソナ以降のパク・ヨンハは「LovingYou」しか見たことが無い。元気はつらつな若者役で好感が持てて、主題歌も歌っているんじゃないかと勘違いし、本人の歌を聴いて見たら歌が暗過ぎて、それ以降パク・ヨンハへの興味を失った。明るいロカビリーとかロックンロールでも歌ったって良いんじゃないかと思ったのだけれど、じめじめと悲しい歌ばかり延々と歌っているのですっかり嫌いになってしまった。それで、最近自殺と聞いてちょっとびっくりした。暴力が原因で別れたと噂されていたらしいけれど、自殺しても涙が出ないユジンとは、ラビング・ユーの撮影中から険悪だったらしい。死人に口無しとか言って、どんな罪を背負わせたって本人いなきゃ平気なんて言うのもどうかと思うけれど。微妙に興味をそそられた。

上の記事からのリンクでこちらの記事を見たら「結局お金を払って見学しに来る以上純粋な形とは言えないと思う。」というのがあって、純粋な形って一体どんなんかと思ったが。韓国では、日本の様に高い料金(ファンクラブの料金等)を出して芸能人に会う習慣が無いらしい。ファンと芸能人が非常に対等な関係にあって、「お金を貰わなければサービスしない」というビジネスライクな関係を嫌うファンが多い。日本より共産主義的とでも言うのか、単に作り上げられた形式的な関係を嫌うだけなのかもしれないけれど。芸能人は金持ちにも貧乏人にも分け隔てなく接するべきみたいな文化があり、日本の様に金が無ければ芸能とは無縁、みたいな感覚は、一般の韓国人には無いらしい。韓国人が日本の質問コーナーで、日本の芸能人ファンクラブの会費はどうしてこんなに高いんですか?と質問しているのを読んだことがある。最近どうなっているかは全然知らないけれど。

「パク・ヨンハ」と「兵役」のキーワードで検索して見ると。ワウコリアによれば「角膜ヨンハ」と呼ばれていたりするらしい。
キム・ヨナが惚れていたと言われるイ・ジュンギ(この人本当に外観が涼しくて、日本人っぽい。釜山って他の地域に比べると日本との繋がりが濃かったから雰囲気も似たのかな。)も最近遂に入隊し、入隊しても芸能活動が付いて回ることをお披露目し、どんなに非経済的でも国民から信頼を得るには兵役を免れ得ないんだなと思わせる。
兵役を終えてから日本に来て中央大学に入学した韓国人留学生が、留学中という理由でまだ兵役延期中と言う同級生について、「こいつはまだ男じゃない」とか言って馬鹿にしていたり。日本では兵役について知ることは無いけれど、入隊しなければ裏切り者・非国民・犯罪者くらいに差別を受けることも事実らしい。兵役が嫌で諸外国で不法滞在及び逃亡を続ける韓国人も多いんじゃなかろうかと思われ。韓国人は、ずるをする人も多いけれど、楽をしている人に対する嫉妬心も強く、逆に苦しんでいる人を尊重する文化もあって、わざと苦しんでいる振りをしたり、自分の苦労を自慢する人も多い。日本人は韓国人ほど、苦しみや恨みを露骨に表現することは無いんじゃないかと思う。どんな苦労があっても、日本人は苦しみを認めず、どんな逆境も涼しく受け流す努力を怠らない。あからさまに苦痛や憎しみを顔に出すのは品が無いと思われるから、能面の様に無表情ということもある。

多分、苦労を表に出さない天真爛漫系のパク・ヨンハは、国民の嫉妬で袋叩きにされていたんじゃないかと思う。苦しくて当たり前、「恨」があって当たり前、むしろ「恨」こそが人間の素晴らしさであり美しさだと思っている韓国人にとっては、苦しんでいない人間を「いい気になっている」と言って非難するのは常識の様な印象さえ受ける。人を懲らしめるのが大好きというのもどうかと思うのだけれど。

果たしていじめが激しいのは日本か韓国か。日本では本来、プロレスのように起き上がれなくなるまで叩きのめすスポーツは流行らないと思われ。何か徹底的にボコボコにするのが好きな人が韓国人に多い様な気がするのは間違いか。勿論日本人にも気性の激しい人は多いし、徹底的に叩きのめさなければ気が済まない人もいるけれど、復讐を美化する文化は日本には存在して欲しくない。と言うか、苦しみや恨みを正当化しない限り、復讐を美化することも無いんじゃないかと思う。苦しまない人間は間違いだ、という程の韓国社会ってちょっと怖いと思う。

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